星座には,昔から語り伝えられている伝説,神話が沢山あります。その中からいくつかご紹介しましょう。夜空に瞬く星座を眺めながらギリシャ神話の世界へどうぞ・・・・・・・・・・・・・・・。ギリシャ神話は、いくつもいくつも、つながり流れていきますのでHPで書くのは大変ですので、と言うより読んでくれる人がいないと思いますので簡単に書いています。
画天ギャラリー ギリシャ神話に登場する神々を、千葉政助氏の絵で観る事ができます。 | ||||||||
牡羊座 | 牡牛座 | 双子座 | 蟹 座 | 獅子座 | 乙女座 | 天秤座 | ||
蠍 座 | 射手座 | 山羊座 | 水瓶座 | 魚 座 | コップ座 | ヘルクレス座 | ||
アンドロメダ座 | ペガスス座 | おおくま座 | こぐま座 | や座 | オリオン座 | かみのけ座 | ||
ペルセウス座 | へび使い座 | ぎょしゃ座 | こいぬ座 | うさぎ座 | はと座 | からす座 | ||
おおいぬ座 | いっかくじゅう座 | こと座 | いるか座 | ケンタウルス座 | かんむり座 |
◆ シリウスの伝説
紀元前2000年古代エジプトの民は、日の出直前に東の空におおいぬ座のシリウスが輝く季節になると、ナイル川の水が増し氾濫し、洪水が起る事を知りました。
この洪水は、土地の土を肥やし、農作物を作るにはなくてはならない洪水です。そしてこれが365日毎に繰り返される事も知り、現在の暦の元にもなりました。こうしてシリウスは人々から「ナイルの星」と呼ばれるようになりました。
また、青白く輝く全天で最も明るい恒星のため世界でいろいろな名前が付けられています。ヨーロッパで”ドッグ・スター”、中国で”天狼”、日本では”大星”、”青星”などと呼ばれています。
ギリシャ神話では、いろいろ言われています、英雄アクタイオンが連れていた犬、月の女神ディアナ(アルテミス)の従者プロクリスの連れた犬、またプロクリスの夫ケファルスが暁の女神オーロラにもらった犬、でも一番有名なのが、猟師オリオンの猟犬との見方が一般的のようです。それは夜空に主人オリオンに従うように前足を上げ、オリオンの足下に輝いているからでしょうか。
◆ コップ座の伝説
神話では、酒の神ディオニュッソスの杯とか、アポロン、アキレスあるいはノアの方舟のノアの杯とも言われています。
古代エジプトでは、コップ座が東の空から昇ってくるころになると、満々と水をたたえていたナイル川が、間もなく引きはじめる時期にあたっていたそうです、そのためシリウスと共に昔から注目されていました。
ヘラクレスはペルセウスのひ孫にあたり、ギリシャの神々の王ゼウスを父に、ペルセウスの孫アルクメーネ王女を母として生まれたが、嫉妬深いゼウスの正妻ヘラは、二匹の毒蛇を送り赤ん坊のヘラクレスを殺そうとするが、これをヘラクレスがつかみ殺し、長じてギリシャ一の英雄と謳われた人物である。
ヘラクレスの名はギリシャ中に響き渡ります、なかでもアルゴスの暴君エウリュステウスに命令された12の大冒険が有名です。
ネメアの森に住む獅子座となった人食いライオンを退治,アミモーネの沼に住むうみへび座となった九つの頭を持ち口からは,毒ガスを吹く大蛇ヒドラを退治,蟹座となった化けガニ退治,りゅう座となった百の目を持つ黄金のリンゴの番人ラドンを矢で射抜き退治,この時の鏃には,第二の冒険で退治したヒドラの猛毒が塗られていたと言う。いずれも困難な無理難題であったが、超人的な力と神々の助けでこれらをやってのけました。しかしヘラの嫉妬から逃れることは出来ませんでした、ついには乱心し、妻子を殺すという悪行もしています、波瀾万丈の生涯は、敵に送られた猛毒にあたり苦しみ、自ら火中に身を投じ焼死しています。その死を惜しんでゼウスが天の星座にあげました。
ギリシャのセリポス島に勇敢な青年がいました,ペルセウスです。ある日島の王の弟にメドゥサと言う怪物の首を取るよう命令されました。メドゥサは髪の毛は蛇,大きな金色の翼をもっていて,その顔を見た者はたちまち石になってしまうと言われます。ペルセウスは直接顔を見ず,持っていた楯に相手の姿を写し見事首を切り落としました。
そのころ,エチオピアでは事件が起きていました。王妃のカシオペアが,海の神の娘たちより私の方が美しいといった為,海の神ポセイドンが怒り,エチオピアの海岸に津波を起こし,怪物くじらを送り,荒らしていました。ポセイドンの怒りを静めるためには,王女アンドロメダが怪物くじらの生け贄になるしかありませんでした。アンドロメダは涙ながらに海岸の岩に縛られています。メドゥサの首をもって帰りを急ぐペルセウスが空からこの様子をみました。アンドロメダに襲い掛かろうとするくじらに,メドゥサの首を突き出しました,怪物はたちまち海の中で,石になり,エチオピアには平和が戻り,ペルセウスはアンドロメダと結婚しギリシャに帰ったといいます。
ペルセウスは、ゼウスを父にヘラクレスの曾祖父にあたり、母はギリシャ南部のアルゴスの王アクリシオスの娘ダナエです。アクリシオス王は「娘の子供に殺されるだろう」という予言を受けていたので、年頃になったダナエを城の搭に監禁しています。ところが浮気者のゼウスがダナエに恋心を抱き、黄金の雨となって入り込みダナエに男子を生ませます、ほかならぬこの子がペルセウスであります。これを知った父王はさあ大変、ダナエと子供を箱に入れ海に流してしまいますが、幸いこの箱は、セリポス島に流れ着き二人は助かります。やがてペルセウスが若者に成長したころ、島の王の弟ポリュデクテスがダナエを我がものにするためにはペルセウスが邪魔になり、亡き者にしようと難題を命じます。
これが、三人姉妹の怪物ゴルゴンのひとりメドウサの首を捕るという難題です、ペルセウスは、知恵の女神アテナの力を借り居所を突き止め、伝令神ヘルメスに兜と空を飛ぶことのできる靴を借り、青銅の楯にその姿を写し、鋼の鎌でメドウサの首をとることが、出来ました。この時ほとばしった血から生まれたのが天馬ペガサスです。そしてメドウサの首をたずさえ空を飛んでギリシャに帰る途中、岩に繋がれた美女アンドロメダ姫を救うことになります。
セリポス島に帰ったペルセウスは、ポリュデクテスの前に立ち「これがメドウサの首だ」と指し示すとポリュデクテスは一目見るなり石になってしまいました。その後母のダナエと妻のアンドロメダを連れギリシャに帰ります、そしてテッサリアの競技会でペルセウスの投げた円盤が見物していた老人にあたり死んでしまいます、これが娘の子供に殺されると予言されていた祖父アクリシオス王です。このような不思議な運命にももてあそばれたペルセウスですが、その後ペルセウスとアンドロメダは、何人かの子供にも恵まれ平穏に暮らしたと言い子孫には、英雄ヘラクレスも生まれています。
風より速く空を駆け、疲れることを知らない翼を持った馬、天馬ペガサスです。ペガサスはペルセウスに退治されたメドゥサの首から流れ落ちた血から生まれた馬です。生まれてすぐオリンポスに行き大神ゼウスの雷薙を運ぶ役目をするようになりました。彼のひずめで岩を一撃するとヒッポクローネの泉が湧き出たと言われ、各地にあると言われます。またペガスス座の隣にあるこうま座は、ペガススの弟のケレリスと言う名が付いています。
ギリシャの神々の王ゼウスと,美しい森の妖精(月の女神アルテミスの侍女)ニンフのひとりカリストとの間に息子のアルカスが生まれました。しかしゼウスの妃ヘラ女神はカリストの存在を知り,カリストに呪いをかけて,熊の姿に変えてしまいました。それから約20年後,狩人に成長したアルカスは,ある日,狩に出かけた時,熊に変えられたカリストに出会いました。アルカスはこの熊を自分の母とも知らずに、仕とめようとしています。天上から見ていたゼウスは,この様子を見るに忍びなく、アルカスに母殺しの大罪を犯させまいと、アルカスもまた熊にし,天に上げ星座にしました。それでもヘラの怒りはおさまらず、大熊と小熊はいつも北極星を周回し、地平線の下に降りて休むことが永遠にできないのだと言います。これがおおぐま座とこぐま座と言われ,アルカスの連れていた猟犬たちがりょうけん座になったと伝えられています。
太陽の神であり音楽の神でもあるアポロンの息子オルフェウスは,ギリシャで一番美しいと言われたエウリュディケーを愛し結婚しました。しかし彼女はある日毒蛇にかまれ死にました。オルフェウスは死の国へ彼女を迎えに行き歌声で死の国の王ハデスの心を動かし,エウリュディケーをもう一度地上に帰してもらうことになりました。条件が一つだけありました,地上に着くまで後ろを振り返ってはいけない!暗く長い地上への道を歩きました,やっと光が見えた時心配のあまり,思わず後ろのエウリュディケーを振り返りました。たちまち妻は,死の国へ連れ戻されました。オルフェウスは悲しみのあまり気が狂い死にました。そして彼がいつも持っていたハープだけが天に上げられ星座になりました。これがこと座です。
ギリシャのボイオティヤと言うところに,体の大きい美しい青年狩人がいました。これがオリオンです。月の女神アルテミスが,オリオンの腕前を認め自分の部下にし,地中海のクレタ島に連れて行きました。後にアルテミスはオリオンに求婚されますが,身分の違うオリオンと結婚するのがいやで,大地の女神ガイアにたのみ,サソリの毒をもって殺しました。また曙の女神エオス(オーロラ)がオリオンに恋したのを女神アルテミスが妬んでサソリを送り殺したとも言われています。ゼウスは美しい狩人オリオンを惜しんで星座にあげました。星座になっても蠍座が出てくる頃には西の空に沈んで行きます。
紀元前3世紀エジプトのマケドニア王朝プトレマイオス三世王はキュレネの女王ベレニケ二世を妻に迎え、キュレネ、シリア、小アジアを攻略黄金時代を築いた。
この王がシリアとの戦いに遠征する時、ベレニケは美の女神アフロディテーに約束しました。「王が戦争に勝てたら、私の髪の毛を捧げます」と、王妃の髪の美しさは外国まで知れ渡っていました。王は戦争に勝ちベレニケは女神に約束どうり、髪の毛をアフロディテーの神殿に捧げました。帰国した王は、驚きと失望を隠しきれなかったが、翌朝神殿からこの髪の毛が消えていました、王は天文学者のコノンを呼び問いただすと、コノンはその頃現れた新しい星の群れを指し「神が王妃の心の優しさと、髪の美しさを愛でて、天に上げられました」と答えたと言い、王も王妃もおおいに満足したことは、疑う余地は無い。これがかみのけ座の伝説です。
しかしベレニケは、数奇な運命をたどっています。ベレニケはキュレネの王マガスの娘ですがプトレマイオス三世と婚約していた頃、父王のマガスが亡くなり、母親がマケドニア王子デメトリウスと結婚させようとしたため、これを嫌い母親とデメトリウスを暗殺させ、紀元前247年プトレマイオス三世王と結婚します。ベレニケは夫プトレマイオス三世王の死後、長男プトレマイオス四世と共に王位に付くが紀元前221年息子に殺され非業の最期をとげました。
乙女たちは、大空を支えているアトラスの娘たちです。その名は、エレクトラ、マイヤ、タイゲテー、アルキオネ、ケライノ、メロペー、ステロペーと名付けられています。彼女らはオリオンに見染められ5年の間逃げ回りしまいには、白鳩になり逃げ回ったと言います。ゼウスがそれを憐れんで星座に上げたと言われています。後にマイヤはヘルメスをエレクトラはダルダノスをゼウスの子として生んでいます。他の娘たちも神を愛人にしましたが、メロペーだけは人間のシジフォスの妻になりました。後にシジフォスはゼウスのために地獄に落とされ永遠の労苦を負わされる。これを恥じてプレアデスの七つの星の中で彼女だけが光が鈍いのだと言われます。
またヒヤデス星団の星々もプレアデスの乙女達とは、異母姉妹と言われアムブロシア、エウドラ、コロニス、ポリュクソ、ディオーネ、アイシュレ、ピュートの7人姉妹です。
二人は、スパルタ王ティンダリオスの妃レダと大神ゼウスとの子とされています。実はこの時レダはティンダリオスの子も宿していたので、生まれたのは四人でした、ゼウスの子として不死の生命を授けられたのは、弟ボルックスとトロイ戦争の原因になった美女ヘレナ、そして兄カストルとトロイ戦争の総大将アガメンノンの妻になったクリタイムネストラは死すべき人間の子とされた。ある時ボルックスとカストルは親戚同士の争いに巻き込まれ、カストルは戦死します、大神ゼウスはボルックスを連れて天上に上ったが、ボルックスはカストルとの別れを悲しんだため、ゼウスはこの兄弟が一日おきに神々と人間の間で暮らせるようにと双子座の星座にしたと言われます。この近くに母のレダははくちょう座になっています。
もうひとつ、アルゴ船の冒険では、嵐のため舟が遭難しそうになり、オルフェウスが竪琴を奏で嵐を静めた時、カストルとボルックスの頭上に二つの星が輝きました。この伝説から地中海の船乗りは、航海の守護神として大切にしています。
不思議な力を持つ医神アスクレピオスの姿です。手に持っている蛇は、生き返りの力のシンボルと言われ星座にあげられています、これがへび使い座です。アスクレピオスは太陽神アポロンがテッサリアの美女コロニスに生ませた子です。アスクレピオスが死者を甦らせた事で大神ゼウスの怒りをかい殺されてしまいますが、ここで黙っていられないのが我が子を殺された太陽神アポロンです、当然のようにゼウスとアポロンの争いが起きます・・・・・・・・・・・。
アリオンが船旅の途中命を狙われた時、リュート(ギターに似た楽器)を弾き歌をうたうと、舟の周りにイルカの群れが集まり、その中の一匹のイルカの背中に乗ったアリオンは無事海岸に着けました。その時のイルカがイルカ座です。
プロメテウスは、巨神ヤペトスの息子で弟エピメテウスと一緒にゼウス方でクロノスを倒すために戦った。彼は人間を作り、地を耕し作物を作ること、道具を使うこと、羊や牛を飼い慣らすこと、言葉で話すこと等沢山のことを人間に教えました、最期に火を使うことを教えるため、ヘリオスの太陽の馬車から火を盗みました。罰としてゼウスによって岩に縛られ、ゼウスの放った大鷲に襲われ苦しんでいるのを助けようとして、ヘルクレスが放った矢がや座と言われます。先を見越すことのできるプロメテウスは、弟エピメテウスに残したパンドラの箱に希望を入れておいたので、幾度も、愚かな争いを繰り返しても、今尚私達はこの希望をもって生きて行けるのです。パンドラーはゼウスがヘパイストスに造らせた人形で、人間界にいろいろな禍いをもたらす女性に仕上げ、パンドラの箱を持たせエピメテウスのもとへ送ったと言われています。
ケンタウルスとはギリシャ神話・ローマ神話にでてくる粗暴な半人半馬の一族の名で馬人族全体を指します。ケンタウロス族はギリシャ北東部のテッサリアのぺリオン山地に住んでいた。同じテッサリアのラピタイ族の王ペイリトオスの結婚式にこのケンタウロス族が招かれ、酒に酔うほどに粗暴な本性を出し、花嫁ヒッポダメイアを連れ去ろうとし、両族の間に戦争が起りケンタウロス族が敗れ、ヒンドスの山地に逃げ込んだといいます。
粗暴なケンタウロス族のなかにあって、射手座で表わされているケイロンは、徳望もあり知的人物として語り継がれています。
アテネの王エリクトニウスは、片足が不自由だったので、それを補うため四頭引きの馬車を発明し、勇敢に戦いをしました。その功績を称え大神ゼウスが星座に上げたのがぎょしゃ座です。
ある日鹿狩りの名人アクタイオンが狩に出た時、偶然に女神アルテミスが森の泉で水浴びをしているのを見てしまいました。これを知ったアルテミスはひどく怒りアクタイオンを鹿に変えてしまいました。アクタイオンは、頭に角が生え、全身茶色の毛皮で覆われた自分の姿を嘆き、川に飛び込み帰らぬ人となりました。
この時お供をしていた小犬は、何日も何日も川岸にたたずみ主人を待ちます、やがて小犬は星になり天の川の岸辺で輝きはじめたと伝えられます。三等星のゴメイザ(涙ぐむ目の意)は小犬の顔にあたり、この星は溢れる涙がキラッと光っているようにも見えて、悲しげな小犬の姿が夜空に浮かびます。
オリオンの足元を逃げまどうウサギは、おおいぬに追いかけ廻されているウサギの姿とも、荒々しいオリオンの心を静めようとして大神ゼウスが天に上げたとも言われています。
となりのはと座は、旧約聖書「ノアの方舟」に登場する鳩です。地上が悪と戦いに満ち、神のの怒りのため40日間も雨が降り続き、大洪水が起き、ノアが神に命令され造った方舟に乗った生き物だけが助かりました、一年以上も続いた洪水もしだいに収まり、その時ノアが様子を見るために放った鳩がはと座です。くわえているオリーブの若葉は、地上に草木の命が甦っていることを表わしていると言います。
蟹座のγ星アセルス・ボレアリス(北のロバの子)、δ星アセルス・アウストラリス(南のロバの子)は、酒の神デュオニュッソスと鍛冶の神ヘパイストスのロバと言われ、オリンポスの神々が巨神族と戦った時大変いななき敵を驚かした功績で、銀のかいば桶と共に星座にあげられています。
このからすは、アポロンの使いで翼は銀色で、人間の言葉を話すことが出来たと言います、テッサリアの王プレギュアスに美しい娘コロニスがいました、コロニスは太陽神アポロンに愛され、このからすを使いとして与えられました。ある日、コロニスが若い男と話しているのを見たからすは、すぐアポロンに告げます、怒ったアポロンは矢を放ちコロニスを殺してしまいます、コロニスは死に際に宿していたアポロンの子を、この子だけは助けてほしいと、アポロンに懇願します。
からすの告げ口を本気にし、矢を射かけたアポロンであったが、美しいコロニスの最期の願いを聞き入れ、その子をケンタウロス族の医師ケイロンに養育を頼んだ。この子が後の名医アスクレピオス(へびつかい座)で、多くの病人を救うことになります。
こんなことがあったりし時々嘘をつくため、嘘の嫌いなゼウスが罰として、翼を黒に変え人間の言葉もとりあげ声はカーカーと鳴くだけにし、目の前のコップ(コップ座)の水にくちばしが届かないように、みせしめのため天に張りつけたものです。もうひとつ、オリオンの足元でうろついているうさぎ座は、からす座が東の空に昇ると、間もなく西の空に沈みます、それはからすのあの声が大嫌いだからなそうです。
冬の大三角形に囲まれた一角獣は、頭に長い角が一本生えた、サイより小さい可愛らしい伝説上の動物です。神話ではこの一角獣の角で作った杯で酒を飲むと病気が治ると言われますが、捕まえることも出来ないでしょう。また姿を見たり、夢を見ただけでもその人に幸せが訪れると言われています。でも男性には無理かも知れません、と言うのも一角獣はとても足が早いので捕まえることは不可能ですが、女性の膝の上に乗ると大変おとなしくなります、そんな一角獣の姿が中世の絵画などに沢山登場します。冬の華やかな星座群の中でこんないっかくじゅう座も探してみてください。
昔アテネの町は、クレタ島の王ミノスにより支配されていた、アテネの若者はその日が来ることを恐れ慄き日々を送っていました。その日とは、ミノス王の王宮奥深くに住むミノタウロスと言う、牛の頭をした怪人に、毎年アテネの最も美しい少年少女を7人づつこの怪人の犠牲に捧げるよう命じられていたのです。
そんなある年アテネの王の息子のテセウスがたくましい勇者に成長していました、テセウスは、ミノタウロスを倒しアテネの若者の苦しみを救おうと決心しクレタ行きを志願し14人の中に加わりました。ミノス王の前に出されたテセウスの勇姿に一目惚れし恋をしたのがミノス王の娘アリアドネです、テセウスはアリアドネの手引きでミノタウロスを無事倒すことが出来、アリアドネを連れクレタの島を首尾よく出ることが出来ました。ところがテセウスは帰途に立ち寄ったナクソスの島にアリアドネを置き去りにしました。テセウスに捨てられ嘆き悲しむアリアドネを優しくいたわってくれたのが、この島を支配していた酒神ディオニュッソスです、そして妻に迎えられます。この時アリアドネがもらった7つの宝石をちりばめられた冠が、後にアリアドネが死んでから酒神ディオニュッソスが星座(かんむり座)にあげたと伝えられています。
蟹 座 | アミモーネの沼に住む化けガニである。友人のヒドラが,ヘラクレスに退治されそうになったのを見て,助けに来たが,逆に殺されてしまった。それを見た大神ゼウスが友情を称えて,星座に上げた。この時カニは泡を吹きながら上がったので今でも口のあたりにボンヤリと天体が光っています、M44プレセべ星団です。 |
獅子座 | ネメアの森に住む獰猛な人食いライオンで、鎧のような鱗をまとった、化けじしです。何人もの勇者が退治に行きますが、森から帰って来るものはいなかった。そこで怪力ヘラクレスがオリーブの大木で作ったこん棒と強力な弓矢を持って挑みました、不死身のライオンですなかなか退治することができません、ライオンはヘラクレスと3日3晩の死闘の末,ついに腕で首を絞められ退治されました。このためヘラクレスは逆にエウリュウテウス王に恐れられ、次々と出来そうも無い難題を命じられます。 |
乙女座 | 清らかな女神の姿です。乙女座は豊穣の女神デメテルの娘,ペルセフォネの姿です。月の女神アルテミスの娘で正義の女神アストレイアの姿とも言われます。”金の時代”と言われた太古、神と人間は地上で野山の果実を自由に食べ平和に暮らしていましたが、”銀の時代”になると収穫の分配をめぐり人々の間に争いが起きるようになり、神々は一人一人と天に昇りますが、アストレイアは人間に正義を教えるため地上に残ります。しかし”銅の時代”になり人間のあいだに争いが増し、アストレイアの言うこと聞こうとする者がいなくなり、ついには妹のアイドス(慈悲の女神)とともに、地上を去り天に上り星座になったと言われています。四季のを感じさせる乙女座は、ペルセフォネの神話がぴったりします。 |
天秤座 | 乙女座の正義の女神アストレイアが足元に置いた天秤の姿である。人が死ぬとアストレイアは,死者の心臓をこの天秤で測り善悪を知り,善人は天国,悪人は地獄へ送ると言われている。 |
蠍 座 | オリオンを刺し殺したサソリの姿です。腕の良い猟師であったオリオンは,”この世に俺より強い者はいない”と言った為,オリオンに腹を立てた大地の女神ガイアが一匹のサソリを放って,オリオンを殺させたと言います。また太陽の神アポロンの息子ファエトンが日輪の馬車に乗った時、馬が大きな蠍に驚いて暴走した時の蠍とも言われています。 |
射手座 | 半人半馬の一族(ケンタウルス族)怪人ケイローンの姿であり、弓に矢をつがえ西隣のサソリの心臓を、狙っている姿です。ケイローンは頭が良く武勇にも秀でていたので,アポロン,アルテミスの両神は,音楽,医学,予言,狩りなどの力を彼に授けました。 その後,ケイローンは先生となり,ヘルクレスやアスクレピオスなど,たくさんの英雄を教え育てたと言われます。 ところがある日ヘルクレスとケンタウルス族の間に間に争いが起り、ヘルクレスの放った毒矢がケイローンの足に突き刺さりました、ケイローンは永遠の生命を持った身体です苦しんでも死ぬことは出来ません、この様子を見た大神ゼウスが星座にあげたと言われます。 |
山羊座 | パーンはギリシャのドリュオブス王の娘ドリュオベスとヘルメスとの間の子供です。彼はいつも仲間のサチュロス達と森のニンフ達を、追い掛け回していたプレーボーイです。パーンに追いかけられた一人のニンフ、シュリンクスは川辺の葦に変身しました。パーンは彼女を探しながら、葦を一本折り葦笛を作ります。その後このシュリンクスの笛を吹きながらニンフ達と遊んだと言われます。 オリンポスの山に神々が集まると、パーンの葦笛をもてはやしながら祝宴が開かれていました。ある日祝宴に、頭が百あり、口から火を吹く怪物デュポンが乱入し、神々は逃げました。ところが羊飼いの神パーンは酒を飲み過ぎて、逃げることが出来ず,川に飛び込んで咄嗟に魚に変身しようとしましたが浅瀬だったため、下半身が魚に変身しましたが、上半身は山羊のままだったと言います。その奇妙な姿が面白いので神々が喜んで星座に上げたのだと言われています。 |
水瓶座 | トロイのイーダ山でひつじを飼っていた美少年ガニメデスの姿です。ガニメデスの身体は永遠の美と若さをあらわす金色に輝いていた美少年でした。ある日息子が鷲にさらわれ、いなくなって嘆き悲しむ両親の姿を見たゼウスは,心が痛み彼の姿を星空に写したのが,この水瓶座です。星座となった息子の姿を見て,その悲しみを癒せるようにと考えてのことであります。このことをガニメデスの父トロースに伝えたのが伝令神ヘルメスです。 またガニメデスは、鷲に変身したゼウスにオリンポスの山に連れてこられました、祝宴のお酌の係りを努めていた女神ヘラの娘ヘーベがヘラクレスと結婚することになり、そして祝宴のお酌の係りと酒蔵の管理を任されていました。水瓶から流れ出るルビー色の水は不老長寿の神酒とも言われています。 |
魚 座 | 愛と美の女神アフロディーテ(英語でビーナス)とその子愛の神エロス(英語でキューピット)が川で遊んでいる時、突然怪物テュポンに襲われた時変身して、水の中に二匹の魚になって逃げた時の母子の神の姿と言われ、激流の中でもはぐれないように、互いの尾を結んだと言われています。そして母子の絆の確かさを神話は伝えています。 |
牡羊座 | あの巨大なアルゴ船に乗った50人の勇士がギリシャからコルキスに向い、探していた空を飛ぶ黄金色の羊の姿です。 テッサリアの王アタマスは先妻ネフェレーとの間に二人の子がいました、王子プリクソスと王女ヘレーです。やがて離婚し二人目の妻イーノとの間にもレアルコスとメリケルテスが生まれます。そしてある日王子プリクソスと王女ヘレーが継母に殺されそうになった時,大神ゼウスは毛が金色に輝く牡羊を二人のもとへ送りました。 この羊はテッサリア王の二人の子を背中に乗せ、空を飛んでコルキスに送って行きました。この時コルキス王は珍しい羊を守るために、一晩中眠ることのない竜を見張りに付けました、この竜が北の空にとぐろを巻くりゅう座のセゴヴィアです。 |
牡牛座 | 大神ゼウスがフェニキア国のポイニクス王の娘エウロバのその美しさに魅せられ、彼女が野で花を摘んでいる時、純白の牡牛に変身した白い大きな牛の姿と言われています。 彼女は牡牛の優しげなまなざしに、心を許し言われるまま背中に乗りました、すると牡牛は猛スピード走り出し地中海を渡って、クレタ島まで連れ去って行きました。やがて彼女はゼウスの子を生み、後にミノス王としてクレタ島を支配します。ヨーロッパ大陸の名前は彼女エウロパから取ったと伝えられています。 背中のプレヤデスは、天を支える神アトラスの娘の七人姉妹です。 |
双子座 | メソポタミア地方では,ナブー(知恵の神)とマルドゥク(バビロニアの首都バビロンの守護神)の2神の姿と考えられ,それがギリシャへ伝わって,双子の英雄カストルとボルックスの姿と考えられるようになりました。母のレダははくちょう座になっています。 |
へび使い座 | 太陽神アポロンとテッサリアの王女コロニスとの間の息子アスクレーピオスの姿です。彼は幼い頃からケイロンに育てられ、最高の医術を伝授されています。 蛇の毒を薬に変えて死んだ人も生き返らせることさえもできた名医であった。定められた人間の運命を変えたことは,自然の秩序を乱すと大神ゼウスの怒りをかうことになり殺されてしまいます。しかしゼウスは医者としての偉業を称え彼を星座に上げました。 |
ルナー・A月への旅立ち アポロ13号から21世紀の月探査 |
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遥かなる銀河の旅 果てしない深宇宙へ・・・・。 |
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オリオン大星雲 生命の息吹が聞こえてくる |
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深宇宙へ おとめ座銀河団・かみのけ座銀河団。 |
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球状星団の旅 生まれる星があれば年老いてゆく星もある。 |
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ブラックホールの謎 降着円盤・事象の地平面。 |
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国際宇宙ステーション計画 2003年完成めざしていよいよスタート |
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彗星・流星の正体 ヘールボップ彗星・しし座流星群の謎 |
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黄道12星座の旅 12星座の歴史・星図・神話・運勢占い 。 |
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神秘なる恒星を訪ねて 一等星の固有名・宇宙空間ってどんな距離 |
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